培養土を使い終わったらどうする?
皆さんはプランターや植木鉢で野菜や花を育てた後、使い終わった培養土をどうしていますか? 畑や広い庭を持っていれば、そこに混ぜることもできますが、持っていない方は処分に悩みますよね。
培養土をそのまま使い回すのはNG

雑草が生えてしまったプランター
培養土をそのまま何もせずに次の栽培に使い回すのはおすすめできません。花や野菜を育てたことで培養土にはさまざまな変化が起こっているからです。例えば、以下のような変化が起こっています。
- 肥料成分が減っている
- 肥料成分に偏りができている
- 酸度に変化が起きている
- 害虫やその卵が含まれている
- 病原菌が含まれている
- 雑草の種や根が含まれている
- 根鉢ができて培養土が固まっている
- 排水性などの物理性が変化している
処分には注意!

ココヤシ100%のブロック
では、培養土をゴミとして捨てて新しい培養土を買えばいいかと言うと、それも注意が必要です。培養土の多くには赤玉土や鹿沼土、黒土などの土が含まれているので、ほとんどの自治体は培養土をゴミとして回収しないからです。
培養土の中には「燃やせる培養土」も存在しています。例えば、ヤシの実の殻を粉砕してできた「ココピート」という培養土は100%植物性なので燃やせるゴミとして廃棄できるとされています。ただし、この燃やせる培養土であっても捨てられるかどうかは自治体の判断により、回収してもらえない場合もあります。実は培養土を捨てることはとても難しいものなんです……。
また、ホームセンターの中にはその店舗で販売した培養土に限り、使用後の培養土を回収するサービスを提供しているお店もあります。ただし、このサービスを提供している店舗はまだまだ少なく、多くのホームセンターでは培養土の回収は行っていません。
リサイクルする方法が一番便利
培養土はそのまま使いまわしたり、廃棄したりするのではなく、リサイクルするのがおすすめです。リサイクルすれば培養土は何度も繰り返し使うことができ、節約につながります。
培養土をリサイクルする方法

培養土の再生材や土壌改良材
では、培養土をリサイクルする方法を紹介します。
準備するもの
まずは準備するものです。
- 使用した培養土
- 園芸シート
- 背抜き手袋
- シャベル
- ふるい
- 再生材
- 肥料(必要に応じて)
- 苦土石灰や有機石灰(必要に応じて)
1. ゴミを取り除く

栽培が終わったミニトマトの苗
まずはプランターや植木鉢の状態で、培養土から大きなゴミを取り除きましょう。葉や茎、花などの育てた植物の残渣(ざんさ)や、マルチングに使用したウッドチップ、ネームタグなどを取り除きます。
2. 土を全部出す

園芸シートに広げた使用済みの培養土
園芸シートを広げて、その上に培養土を全部出しましょう。根が張っているとプランターや植木鉢の形のまま、塊の状態で出ます。鉢底石を使用していた場合は、このときに鉢底石だけを集めておきます。鉢底石は洗浄してから再利用しましょう。
シャベルを使って培養土をほぐして、目視で害虫や大きな根を取り除きましょう。細かな異物も取り除きたい方はふるいを使ってください。

根がびっしり張った培養土
特にコガネムシの幼虫は植物の根を食べる害虫なので、見つけたら必ず取り除いてください。見た目は小さく、カブトムシの幼虫に似ています。ダンゴムシやムカデ、アリ、ミミズは少数であれば大きな害はありませんが、数が増える恐れがあるので見つけたら取り除くようにしてください。

イチゴの根を食べたコガネムシの幼虫

培養土の中で見つかったコガネムシの幼虫
3. 再生材を混ぜる

培養土の再生材と腐葉土
ゴミを取り除いたら、培養土の再生材を混ぜます。
再生材の中には、生物性を改善する腐葉土や堆肥、物理性を改善するもみ殻くん炭、石灰や肥料などが含まれているものもあります。石灰や肥料を準備するのが面倒な人にはそれらが含まれているタイプがおすすめです。
使用量は商品ごとに違うので、再生材に記載されている量を参考にしてください。培養土に対して1~3割程度の商品が多いです。
再生材が手に入らない場合は、腐葉土やもみ殻くん炭、堆肥などを用意して培養土の量に対して2~3割を混ぜることで代用できます。
培養土の酸度調整をしたり、カルシウムやマグネシウムを補給したりしたい場合は、このタイミングで苦土石灰や有機石灰を使用してください。
また、培養土を一回使用すると赤玉土などの粒が潰れて気相が減り、排水性が悪くなることが多いです。その場合、軽石やパーライトなどを1~2割ほど混ぜると排水性を改善できます。

苦土石灰と有機石灰

排水性を改善できる軽石
4. 元肥を混ぜる

粒状の発酵油かす
育てる野菜や花が決まっている場合は、このタイミングで肥料を培養土全体に混ぜましょう。長い期間、育てる植物の場合は緩効性肥料がおすすめです。有機栽培したい人は粒状の発酵油かすなどの有機肥料を使いましょう。できるだけ臭いを発生させたくない人は、マイガーデンベジフルなどの緩効性化成肥料がおすすめです。
育てる野菜や花が決まっていない場合は、このタイミングでは肥料を混ぜず、育てる野菜や花が決まってからその野菜や花に合った肥料を使いましょう。

使用済みの培養土にマイガーデンベジフルなどを混ぜる
5. プランターに入れる

プランターに処理した培養土を入れる
リサイクル処理が終わった培養土をプランターや植木鉢に戻しましょう。容器を10センチほど持ち上げて床に落とす行為を5回ほど繰り返すと、培養土の中に含まれていた余分な空気が抜けます。空気が抜けた分、土の高さが下がるので培養土を足してください。
培養土の量は容器の9分目くらいがおすすめです。容器の縁から少し下まで培養土を入れることで、雨や水やりのときに培養土が流れ出ることを防げます。
リサイクルした培養土を使う際の注意点

培養土の太陽熱消毒を行う様子
野菜や花を育てているときに元気に育ち、土壌性の病気の恐れがない場合は、今回の方法でリサイクルすれば問題なく再利用できます。ただし、植物を育てているときに葉が急に萎れるなどの土壌性の病気の恐れがある場合は、培養土をリサイクルする前に殺菌する必要があります。培養土を殺菌しないと培養土の中に病原菌が残り、次に育てる植物でも同じ病気が発生します。例えば、イチゴでは炭疽病という病気がよく発生し、土や水を介して感染が広がります。培養土の殺菌方法としては、太陽熱消毒がおすすめです。

炭疽病に感染したイチゴの葉
太陽熱消毒は、透明なビニール袋の中に培養土を入れて水をかけて、袋の口を縛って密封します。その袋を直射日光が当たる場所に置き、3週間ほど待てば完了です。培養土の温度を50度以上まで高くしないと殺菌効果がないので、気温が高く日射が強い5月から9月頃に行うのがおすすめです。
一度使用した培養土は太陽熱消毒とリサイクル処理を行えば、同じ野菜や花を繰り返し栽培できます。連作すると病気や肥料の偏りが問題になりますが、太陽熱消毒とリサイクル処理でそれらの問題をクリアできるためです。私は使用した培養土を太陽熱消毒とリサイクル処理して、ミニトマトやイチゴなどの野菜栽培に何年も使用しています。

リサイクルした培養土で育てたミニトマト
まとめ
野菜や花を育てた後の培養土は捨てることが難しく悩みの種になりますよね。ですが今回紹介した方法でリサイクルすれば、培養土は繰り返し使えます。ぜひリサイクルして次の野菜や花を育ててください。

















読者の声を投稿する
読者の声を投稿するにはログインしてください。