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病害虫の発生予察情報とは? 警報・注意報の違いと、見逃さないための受け取り方

病害虫の発生予察情報とは? 警報・注意報の違いと、見逃さないための受け取り方

「あの虫、注意報が出ているらしい」近所の生産者からそう聞いて、慌てて圃場を見に行った。そんな経験はありませんか。

都道府県が発表する病害虫の発生予察情報は、防除のタイミングを判断するうえで欠かせない材料です。ところが発表は不定期で、掲載先も県ごとのウェブサイト。しかも発生が増える時期は、農作業が最も忙しい時期と重なります。大事だと分かっていても、毎回チェックするのは簡単ではありません。

この記事では、発生予察情報の基本と、予報・警報・注意報・特殊報の違い、そして情報を「探しに行く」のではなく「受け取る」方法までご紹介します。

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そもそも病害虫発生予察情報とは?

発表しているのは、各都道府県の病害虫防除所

病害虫発生予察情報は、植物防疫法に基づいて提供されている情報です。病害虫の防除を、適切なタイミングで、かつ経済的に行えるようにすることを目的としています。国と都道府県が協力して実施しており、地域ごとの情報を実際に調査・発表しているのは、各都道府県に置かれた病害虫防除所です。

病害虫の発生状況、農作物の生育状況や気象などを調査し、今後の発生動向を予測して発表されているため、単なる注意喚起ではなく、根拠のあるデータに裏づけられた情報だといえます。

調査は、地道な積み重ねで支えられている

発生予察情報の裏側では、次のような調査が続けられています。

定点調査:県内の同じ圃場を継続して調査し、イネは無防除、その他の作物は慣行栽培としながら、病害虫の発生を調べる。
巡回調査:県内各地の協力農家の圃場を回り、病害虫の発生状況を確認する。広い範囲を対象とするため、調査内容は定点調査よりも絞られている。

これらの調査では、予察灯・フェロモントラップなどで、害虫の種類や数を確認し、気温や降雨などの気象データもあわせて分析します。さらに、発生時期と発生量を過去データと比較することで、今後の発生の見通しを立てます。
こうした積み重ねがあるからこそ、「そろそろ多発しそうだ」という予測が可能になっています。

予報・警報・注意報・特殊報の違い

発生予察情報には、大きく4つの種類があります。

種類 発表の頻度 どんなときに出る?
予報 おおむね月1回 病害虫の発生予測と防除情報を、定期的に知らせるもの
警報 随時 重要な病害虫の大発生が予測され、早急に防除措置を講じる必要があると認められる場合
注意報 随時 警報を出すほどではないものの、重要な病害虫の多発が予測され、早めの防除措置が必要と認められる場合
特殊報 随時 新たな病害虫を発見した場合や、重要な病害虫の発生消長に特異な現象が認められた場合

警報・注意報・特殊報は、いずれも都道府県の判断によって、随時発表されます。
イメージしやすいのは天気予報です。月1回の予報は1カ月予報、警報と注意報は天気予報と同じように、警報の方が注意報より深刻な状況を示します。

一方、特殊報だけは意味合いが異なります。これは発生の程度を知らせるのではなく、「これまでに確認されていなかった事例が起きた」ことを知らせる情報だからです。県内で新たな病害虫が初めて確認された場合などに発表されます。
なお、発表される情報の種類は都道府県によって異なります。この4種類のほかに、独自の速報や防除情報を出している県もあります。

近年、発生予察情報の重要性が高まっている理由


以前から続いている仕組みですが、発生予察情報の価値は年々高まっています。理由は大きく3つあります。

1. 気温の上昇で、これまでの経験が通用しにくくなっている

気温の上昇は、害虫の分布域や年間世代数(1年間に卵から成虫までを繰り返す回数)、発生量、発生の時期に影響を及ぼす可能性が指摘されています。海外から飛来する害虫の種類や数が増える可能性もあり、その害虫が媒介する病害の発生地域が広がることも懸念されています。

実際に、害虫の分布が北上・拡大している事例、発生量が増えている事例、これまで越冬できなかった地域で越冬している事例が報告されています。たとえばミナミアオカメムシは、かつて九州南部など温暖な地域を中心に発生していた水稲などの害虫ですが、近年は西日本から関東まで確認地域が拡大しています。

「例年どおりの時期に、例年どおりの防除を」という前提が崩れつつあるということです。だからこそ、その年その地域の実際の発生状況を知らせてくれる予察情報の価値が上がっています。

2. これまで見なかった病害虫が入ってくる

温暖化に加えて、生鮮農産物や飼料・牧草などの輸入を通じて、新たな外来の害虫・病原体・雑草が国内に侵入し、作物生産に大きな被害を及ぼす事例が起きています。

こうした「県内で初めて確認された病害虫」を知らせるのが、記事前半で説明した4種の発生予察情報のうちの1つ、特殊報です。過去の経験則がまったく効かない相手なので、発生を早く知ることの意味が特に大きい情報だといえます。

3. 同じ系統の薬剤を使い続けることのリスク

作用機構が同じ薬剤を繰り返し使うと、薬剤抵抗性を持つ害虫や耐性を持つ病原菌が発生しやすくなることが知られています。発生までの期間は一定ではなく、使用開始から数年で問題になることもあれば、長期間使っても起こらないこともあります。

このため、決められた防除暦をこなすだけでなく、「いま何がどれくらい出ているのか」を踏まえて、必要な場面で必要な防除を行う考え方が重要になっています。その判断材料になるのが、発生予察情報です。

発生予察情報を見逃してしまう理由は?


ここまで読んで、「大事なのは分かっている。でも実際にはあまり見ていない」と感じた方も多いのではないでしょうか。それは意識の問題というより、情報の届け方に理由があります。

いつ出るか分からない

予報はおおむね月1回のペースで発表されますが、警報・注意報・特殊報は都道府県の判断によって随時発表されます。つまり、多発の兆しがあったときに出るものであり、決まったタイミングはありません。

裏を返せば、本当に知りたい情報ほど、いつ出るか予測できないということです。定期的に確認する習慣をつけにくいのは、この性質によるところが大きいといえます。

掲載先が都道府県ごとに分かれている

発生予察情報は各都道府県の病害虫防除所が発表しているため、掲載されているのも県ごとのウェブサイトです。そのため、必要な情報を確認する際には、県ごとのページを個別に確認する必要があります。

さらに、病害虫は県境に関係なく広がります。風に乗って飛来する害虫であれば、隣県の発生状況が数日後の自分の圃場にも影響することがあります。しかし、わざわざ他県の情報まで見に行く方は、そう多くないのではないでしょうか。 県ごとに情報が分かれていることで、隣県の動きをまとめて確認しづらいのが実情です。

発生が増える時期は、農作業が最も忙しい時期

3つ目は、最も現実的な理由かもしれません。病害虫の発生が増えるのは、多くの作物で防除や、水管理、収穫などの作業が重なる時期でもあります。一日の中でまとまった時間を確保しにくいときに、情報を探して読み込むのは簡単ではありません。

「重要度は高いが、緊急度が高いとは限らない」情報は、忙しいときほど後回しになります。そして後回しにしているうちに、防除の適期が過ぎてしまいます。見逃しの多くは、こうした構造の中で起きています。

発生予察情報を見逃さないための方法


では、どうすれば発生予察情報を確実に受け取れるのでしょうか。方法は大きく3つあります。それぞれ得意なことが違うので、自分の状況に合うものを選ぶのが現実的です。

都道府県のメール配信サービスに登録する

多くの都道府県では、発生予察情報が発表されたことをメールで知らせるサービスを用意しています。たとえば千葉県は発生予察情報等のメール配信サービスを行っており、北海道でも希望者にメールで連絡するサービスがあります。

自分の県の情報を確実に受け取りたいなら、まず検討したい方法です。登録しておけば、発表のタイミングを気にする必要がなくなります。

一方で、サービスの有無や配信の内容、登録方法は県によって異なります。また、複数県の情報を受け取りたい場合は、それぞれの県で登録手続きをすることになります。

JAや普及指導員から受け取る

発生予察情報は、防除所のウェブサイトで公表されるほか、生産者への配布・郵送や農業者団体を通じた情報提供など、さまざまな形で届けられています。JAの営農指導員や普及指導員から聞くというのは、多くの産地で長く続いてきた確実な経路です。

地域の実情に応じた助言も得られる点は、この方法ならではの大きな利点です。ただし、人を介する分、発表から手元に届くまでに時間がかかることがあります。

発生予察情報をまとめて確認できるアプリを使う

3つ目が、複数県の情報をひとつの画面で確認できるアプリを使う方法です。

実は農林水産省も、この課題に取り組んでいます。適時・適切な防除のためには発生予察情報を迅速に把握する必要があるという認識のもと、全国の発生予察情報を毎日自動で取得・蓄積し、営農管理アプリなどに提供する「予察情報API」が開発され、農業データ連携基盤(WAGRI)を通じて提供されています。このAPIを活用したアプリもすでにリリースされています。

県をまたいで確認したい、通知で受け取りたい、そうした使い方をしたい場合には、この3つ目が有力な選択肢になります。

発生予察情報は「むしきんコール」で、探す手間をなくす

3つ目の選択肢として紹介したいのが、住友化学が提供する「むしきんコール」です。都道府県が発表する病害虫の発生情報を、全国分まとめて確認できる無料のアプリです。

App StoreとGoogle Playのどちらからもダウンロードでき、会員登録をしなくても、基本の閲覧機能はすべて使えます。まずは動画で、実際の画面の動きをご覧ください。

「発生速報」と「予報/技術情報」2つの入り口

アプリを開くと、大きく2つの入り口があります。

アイコン 確認できる情報 表示形式
発生速報 警報・注意報・特殊報 地図上に表示
予報/技術情報 定期予報・技術情報 一覧表で表示

随時発表される緊急性の高い情報は地図で、月1回の定期的な情報は一覧で。情報の種類に合わせて見せ方が分かれているので、「いま急いで知るべきことがあるか」をひと目で判断できます。

全国の発生状況を、地図上でまとめて確認できる

発生速報では、都道府県が発表する警報・注意報・特殊報が地図上に表示されます。

「掲載先が都道府県ごとに分かれている」という問題は、これでほぼ解消します。自分の県だけでなく、隣県や、同じ作物の主要産地の状況も、サイトを移動することなく把握できるからです。

地図表示の利点は、県境を越える広がりが視覚的に分かることにあります。害虫は行政区分を意識してくれません。風に乗って飛来する種類であれば、隣県で出ている注意報が、自分の圃場にも影響する兆しになることもあります。文字の一覧では気づきにくい「近づいてきている感じ」が、地図なら直感的につかめます。

自分の作物・地域の情報だけを取り出せる

情報量が多いと、かえって必要なものにたどり着けません。むしきんコールでは、都道府県・作物・病害虫・期間といった条件で絞り込めます。

たとえば「自分の県と隣接する県で」「自分が作っている作物に」「この1カ月で」出た情報だけ、といった形で条件を絞り込めます。全国の情報を扱いながら、実際に目にするのは自分に関係するものだけ。この絞り込みがあることで、情報の多さが負担ではなく強みになります。

気になる情報は、PDFで確認できる

一覧や地図でつかめるのは概要です。実際に防除の判断をするとなると、対象となる作物の生育ステージ、発生の程度、注意すべき時期といった具体的な中身が必要になります。

むしきんコールでは、PDFボタンから防除所が発表した詳細情報をそのまま閲覧できます。概要を素早くつかみ、必要なものだけ深く読むという流れが、アプリの中で完結します。

ダウンロードは無料。まずは自分の地域を見てみる

むしきんコールは無料で利用できます。会員登録をしなくても、ここまで紹介した閲覧機能は使えるので、まずはインストールして自分の地域に何が出ているかを見てみるところから始められます。

むしきんコールダウンロード(App Store)

むしきんコールダウンロード(Google Play)

つなあぐIDでログインすると、「探す」が「届く」に変わる

ここまでは、会員登録なしで使える基本機能を紹介してきました。むしきんコールは、農業総合情報サービス「つなあぐ」の会員登録をして「つなあぐID」でログインすると、使い方が大きく変わります。

ひとことで言えば、情報を探しに行くアプリから、情報が届くアプリになるということです。

プッシュ通知 | 「いつ出るか分からない」が解決する

プッシュ通知を設定すると、登録した作物や地域に関する最新の病害虫発生情報が、タイムリーにスマートフォンに届きます。

これが効くのは、警報・注意報・特殊報が随時発表されるものだからです。「いつ出るか分からない」情報に対して、こちらから定期的に見に行くのは現実的ではありません。出たときに知らせてもらう。この形にして初めて、不定期という性質に無理なく対応できます。

しかも届くのは、登録した作物と地域に関する情報です。「発生が増える時期は、農作業が最も忙しい時期」という問題に対しても、確認にかかる時間が最小限で済みます。手を止めて通知を見て、自分に関係があるかどうかを数秒で判断できるからです。

ブックマーク | あとで読むを、確実に残す

気になる情報はブックマークに保存しておけば、いつでも一覧から確認できます。

作業中に通知を受け取ったものの、その場でじっくり読む時間はない。そんなときに保存しておけば、夜や翌朝の落ち着いた時間に読み返せます。「あとで見よう」と思ったまま流れてしまうことを防げるので、忙しい時期ほど効いてくる機能です。

投稿・共有 | 「うちだけ?」が分かる

もうひとつが、発表された発生予察情報に対して、自分の圃場で発生している病害虫の状況や防除対応を投稿し、ほかのユーザーと共有できる機能です。
投稿マップでは、発表された県単位の情報では見えにくい、市町村単位の細かな発生状況を確認できます。たとえば、県北では発生が多い一方で、県南ではそれほどでもないといった違いも把握しやすくなります。

また、防除対応についてのコメントを通じて、ほかの生産者がどう対処したかを参考にすることもできます。「同じ状況の人がどうしたか」は、判断に迷ったときに最も知りたい情報のひとつではないでしょうか。

他県の情報にも投稿できる

ここでひとつ、押さえておきたいことがあります。投稿は、自分の県や自分の作物の情報に限られません。

病害虫は、風などによって県境を越えて広がることがあります。だからこそ、他県で出ている特殊報や注意報に対して、自分の地域での発生状況を投稿することにも意味があります。投稿が集まるほど、どの地域まで広がっているのかが地図上で見えるようになり、まだ発生していない地域の生産者にとっては貴重な予兆となります。

使うほどに貯まる「つなあぐポイント」


つなあぐIDでログインして利用すると、電子ギフトや日用品と交換できる「つなあぐポイント」が貯まります。アプリの継続利用や病害虫発生状況の投稿で、自然とポイントが貯まっていく仕組みです。

つなあぐID登録(会員登録は無料)

まとめ

病害虫の発生予察情報は、都道府県の病害虫防除所が調査に基づいて発表している、防除判断の重要な材料です。気温の上昇や新たな病害虫の侵入で「例年どおり」が通じにくくなっているいま、その価値は以前より確実に高まっています。

とはいえ、発表は不定期で、掲載先は県ごと。しかも発生が増える時期は農作業が最も忙しい時期です。見逃しは、意識ではなく構造の問題として起こります。

だからこそ、情報を「探しに行く」のではなく「届く」形にしておくことが有効です。むしきんコールなら、全国の発生情報を地図上で確認でき、つなあぐIDでログインすればプッシュ通知で受け取れます。まずは、自分の地域にいま何が出ているかを見てみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

なお、発生予察情報は地域全体の傾向を示すものです。実際の防除にあたってはご自身の圃場の状況を確認したうえで判断し、農薬を使用する際はラベルの記載事項を必ず守ってください。

アプリダウンロード(無料)+つなあぐID登録

※むしきんコール、むしきんコールロゴは、住友化学株式会社の商標です。

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