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高温障害対策

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高温障害とは?原因と対策を解説! 高温障害とは?原因と対策を解説!

高温障害とは?

暑さが厳しくなるこの時期、農家や家庭菜園者にとってやっかいなものの一つが「高温障害」。高温障害は空気や土壌の高温化の他、強い日差しや水分不足などにより発生する現象で、作物の品質の低下や収量の減少などの被害をもたらします。 年々気温が上昇している今、高温障害をしっかりと理解し、被害を最小限に食い止められるように対策をしておくことが大切です。

作物への影響

1.稲

稲の高温障害は全国的にも話題になっていますが、その主な症状の一つが「白未熟粒(乳白米)」です。登熟期に高温にさらされることにで米粒の胚乳部分に十分なデンプンが蓄積されず、米粒が白く濁る症状です。他にも、高温によって登熟期間が短くなることで米粒が十分に膨らまず偏平になることや、乾燥が進むことで亀裂が入ることもあり、品質に大きな影響を及ぼします。

2.果菜類

トマトやナス、キュウリなどの果菜類は、高温障害によりさまざまな影響を受けます。茎葉が萎れたり、黄緑色や灰白色に変色したりする他、開花期に高温にさらされることで着果不良となる場合もあります。また、果実もトマトであれば裂果(果実が割れる)や、キュウリやピーマンでは変形などが起こる場合があり、収穫まで定期的に注意することが必要です。

3.葉菜類

キャベツやレタス、ハクサイなどの葉菜類は、15~20℃が生育適温とされ、30℃を超える日が続くと高温障害の影響を受けやすくなります。具体的には、茎葉の萎れや葉焼けの他、高温による急速な成長で茎の内部に空洞ができることもあります。また、結球性の野菜の場合、正常に葉を巻かず球状にならない結球不良や、芯腐れなどが発生し、品質や食味が低下します。

高温障害を防ぐための基本的な対策

1.適切な水管理

高温障害対策で水管理はとても大切です。乾燥していないか、また、適切な湿度が保たれているかを定期的に確認しましょう。灌水(かんすい)は早朝や夕方の涼しい時間帯に行うことで、水分の蒸発を抑えることができます。ドリップ灌水やスプリンクラーシステムなどを利用して効率的に行うこともおすすめです。また、土壌の水分を保持したり、土壌温度の上昇を抑えたりする方法として「マルチング」も有効です。

2.遮光資材の利用

高温障害を予防する手軽な方法は、遮光資材による直射日光の遮断です。遮光ネットや遮光フィルム、寒冷紗(かんれいしゃ)など種類が豊富で、遮光率は20~50%のものが一般的。遮光率は高いものほど遮光の効果が強くなる一方で、光合成が十分に行えなくなる可能性があります。作物の種類や時期、栽培環境などに応じて適切なものを選びましょう。

3.土壌改良と施肥

適切な施肥で土壌を改善することも大切です。窒素、リン、カリウムの主要栄養素をバランス良く供給しましょう。他にも、ストレス耐性を高める働きを持つ鉄やマンガンを補給したり、熱や乾燥の耐性を高めるとされているケイ酸を含む肥料を利用したりすることも有効です。高温期直前に施肥することで、より高い効果が望めます。

4.その他の対策

水や光、土壌以外にも対策できる方法はあります。例えば、植え付け時期をずらすことで高温を避けたり、風通しを良くしたりすることも有効な方法です。また、高温障害の症状が現れたら速やかに被害部分を除去しましょう。高温障害が発生すると病害虫に対する抵抗力も弱まるため、適切な防除を行うことも大切です。

高温障害を防ぐための最先端技術

1.高温耐性品種の選択

高温下でも品質や収量が低下しにくい「高温耐性品種」の選択は、近年注目されている対策の一つです。稲の「きぬむすめ」「つや姫」、トマトの「桃太郎ネクスト」、キュウリの「Vシュート」などを始め、非常に多くの品種があります。ただ、高温耐性品種でも、地域の気候条件や栽培環境によって適性が異なるため、事前にしっかりと調べることが大切です。また、高温下では病害虫の発生リスクも高まります。さまざまな要素を考慮しながら適切な品種を選びましょう。

2.バイオスティミュラントの活用

「バイオスティミュラント」とは、植物が本来持っている能力を引き出し、植物に良好な影響を与える資材です。高温障害対策としてもバイオスティミュラントは有効で、植物の水分保持力を高める海藻抽出物系や、植物の光合成を促進してストレス耐性を強化するアミノ酸・ペプチド系、根の活性を高めて土壌環境を改善する腐植質・有機酸系など、さまざまなタイプの資材が展開されています。目的に応じて適切なものを選択しましょう。

まとめ

今回は高温障害の作物への影響やその対策について解説しました。作物の種類や環境、気候条件などを考慮しながら、ぜひ本特集を参考に対策方法を取り入れてみてください。

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