ドローン散布を始めたい!必要な手続きは?
Q.私は、妻と二人で何十年にもわたって農業を営んでいます。体力的に年々農作業がつらくなってきました。一方で、新たに人を雇うというのもコスト的に難しいと思っています。最近、ドローンを活用して農作業を効率化している農家が増えていると聞きました。私もドローンを利用して農薬散布を行ってみたいと思うのですが、具体的にどのような手続きを行わなければならないでしょうか。
弁護士の回答「航空法上必要な手続きを!」
A.ドローンを使用して農薬散布を行う場合、航空法上において下記の手続き、作成を行う必要があります。
①機体の登録
②飛行の許可・承認の申請(一部例外あり)
③飛行計画の通報および飛行日誌の作成
詳しい内容は後述します。
ドローンは「無人航空機」として扱われ る
航空法は、航空のために使用することができる飛行機その他政令で定める機械のうち、構造上人が乗ることができないものであり、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができる、重量100グラム以上の機械を「無人航空機」と定義しています。
無人航空機に該当する機械については、航空法の規制の対象となり、以下に述べるような規制の適用を受けることになります。従って、無人航空機に該当する機械については、何らの制限を受けることなく自由に飛行させることができないという事になります。
農薬散布に使用されるドローンは、ほとんどの場合重量が100グラム以上であるものが多いものと考えられます。従って、農薬散布のために使用するドローンは、基本的には、無人航空機に該当し、航空法の規制の適用を受けることとなります。
航空法に基づく3つのステップ
① 機体の登録

航空法では、無人航空機についてその機体の登録を義務付けており、登録されていない無人航空機を飛行させることを禁止しています。さらに、登録に加えて、無人航空機を識別するための登録記号を登録した機体に表示し、リモートID機能を備えることも要求しています。手続きは国土交通省のポータルサイトからオンラインで行うことができます。
② 飛行の許可・承認の申請
ドローンによる農薬散布は、法律上「特定飛行(ドローンから物を投下する行為および危険物の輸送)」に該当するため、原則として国土交通大臣の承認や許可が必要です。

特定飛行に関する承認や許可についても、国土交通省のポータルサイトでオンライン申請することが可能。なお、2026年4月1日に法令の改正が行われ、特定飛行に該当する場合でも、法令の定める要件を満たした場合には、承認を得ないで飛行が行えるものとされています。これにより、ドローンを利用して農薬散布を行うことが以前よりも簡単になっているものと言えます。
③ 飛行計画の通報および飛行日誌の作成
特定飛行を行う際は、飛行日時や経路、高度などの「飛行計画」を事前に作成し、国土交通大臣に通報する義務があります。この通報も、上記のポータルサイトからオンラインで行えます。 また、飛行実績、飛行前点検の結果、整備・改造記録などを記載する「飛行日誌」の作成・保管も必須です。
農林水産省の定めるガイドラインの順守を
農林水産省は、ドローンを利用した安全かつ適正な空中散布が行われるようにするため、農薬使用者が空中散布を行う際の一定の目安としてガイドラインを策定しています。
当該ガイドラインを守らなかったとしても、罰則等が科されるわけではありません。しかし、このガイドラインには、農薬の使用者が安全かつ適正に農薬を使用するために必要と考えられる対応が記載されており、農林水産省はこれを遵守することを推奨しています。
本件のポイントを整理
✅ドローンを使用して農薬散布を行うためには、航空法の規制に従う必要があり、①機体の登録、②飛行の許可・承認の申請(一部例外あり)、③飛行契約の通報及び飛行日誌の作成を行う必要がある。
✅ドローンによる具体的な農薬散布については、農林水産省の作成したガイドラインに従って行うことが望ましい。
















