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日本ファームステイ協会、農泊先進国イギリスの団体と技術協力を合意

日本ファームステイ協会、農泊先進国イギリスの団体と技術協力を合意

近年、外国人観光客の利用が増えつつある日本の農泊(農山漁村滞在型観光)。そのさらなる品質向上と市場拡大のため、日本の農泊を推進するために昨年設立された日本ファームステイ協会と、イギリスで30年以上農泊についてのノウハウを蓄積してきた英国ファームステイ協会が、国際観光マーケット開拓に向けた技術協力合意書を締結。その狙いとは?

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農泊先進国イギリスのノウハウを日本の農泊の品質向上に

一般社団法人日本ファームステイ協会(東京都千代田区、会長理事:平井伸治、代表理事:上山康博、以下「JPCSA」)は、2019年1月17日、英国ファームステイ協会(FARM STAY UK)(最高経営責任者:スティーブン・ハリス、以下「FSUK」)と農泊(農山漁村滞在型観光)の国際観光マーケット開拓に向けた技術協力合意書を締結しました。

左から、JPCSAの平井伸治会長理事(鳥取県知事)、FSUKのスティーブン・ハリス最高経営責任者、JPSCAの上山康博代表理事(株式会社百戦錬磨代表取締役社長)

JPCSAは2018年2月に発足。日本の地方を元気にしようとする全国の関係組織・団体の力を結集し農泊やファームステイを営む事業者の支援を行う団体です。旅行者が繰り返し訪れたくなる地域の魅力を作り出すことで、日本の農山漁村の所得向上や地域の活性化を目指しています。

一方、農泊先進国であるイギリスで30年以上活動してきたFSUKは、この分野のリーダー的存在。今回の連携はFSUKからの情報連携・技術サポートによって、今成長しつつある日本の農泊のレベルアップやマーケット拡大を目的とするものです。

JPCSAの上山康博代表理事は「イギリスは農泊先進地であるヨーロッパの中でも古くからファームステイの歴史のある国の一つです。また、FSUKには農泊の品質支援プログラムがあり、日本における品質管理・審査システムに関しての知見をお持ちだったことが、連携の大きな理由です。長年イギリスのファームB&B(※)を研究されてきた当会評議員の青木辰司東洋大学名誉教授のネットワークもあり実現に至りました」と、今回の連携の意義を語ります。

※ファームB&B:B&Bは「Bed & Breakfast」の略で、宿泊と朝食を提供する宿泊施設。ファームB&Bは、農村地帯にあるB&B。

具体的な連携の内容は

両団体は2018年の8月から意見交換を重ね、以下3点で合意。農泊に関する技術協力体制を構築していく予定です。

1.日英双方における農山漁村における滞在施設の相互プロモーション

両協会の英語版WEBサイトの相互リンク、英国と日本における魅力的な農泊観光の紹介ページの作成、代表的な農泊施設の紹介などを行い、日英双方の旅行者に農泊施設への興味関心を誘い、利用を喚起します。

2.日本における農山漁村の滞在施設の品質管理および審査システムに関する技術協力

FSUKが設立以来、英国内農泊施設に提供してきた品質保証と向上の支援プログラムなどのノウハウを基にした情報共有・技術サポートを受けることで、日本国内の農泊施設の品質基準と審査システムの開発を目指します。

3.両国における農山漁村滞在型観光市場の開拓に向けた協力

両国の農泊マーケットや旅行者ニーズなどの情報共有、農泊の普及啓発を目的としたシンポジウムや国際イベント開催の相互協力など、農泊関係の方々にグローバルな学びの場を提供することで、さらなる農山漁村滞在型観光の市場開拓を目指します。

これからの日本の農泊市場はどうなる?

今回の連携による日本の農泊市場への効果について上山代表理事は、イギリスやヨーロッパの旅行者に日本の農泊の認知と利用促進を挙げています。また、今回の合意内容である品質基準や審査システムの開発協力により、日本全国に優良な「農泊」施設が拡大していくことを目指していると言います。
「優良な農泊施設が日本全国に増加することにより、安全で快適な新たな地方での滞在、さらには多様な旅行スタイルの選択肢を提供したいと考えています。今回の連携が、旅行者が繰り返し訪れたくなる地域の魅力を創出し、農山漁村の所得向上、地域の活性化につながれば」と日本の農泊への展望と期待を述べました。
 

一般社団法人日本ファームステイ協会
 

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